納棺師日記

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お通夜についてのあれこれ(後編)

 

こんにちは。Kです。

今回もめちゃめちゃなが(以下略

 

前回 

lastmakeamane.hatenablog.com

 

 

 

今日は後編!会葬側のポイントを勉強しましょう!

 

 

会葬者の服装やアクセサリーは?

葬式でも地味な色の清潔な感じの服装なら許されます。男性はダークスーツに白いシャツ、黒か地味な色のネクタイにし、女性なら地味な色柄・デザインのワンピースかスーツがいいでしょう。喪服を着るにしても、あくまでも略式にし遺族より仰々しくならないようにします。通夜も葬儀と同じで地味な服装でかまいません。
アクセサリーは結婚指輪以外は一切つけません。真珠のネックレスをつける人が多くエチケットのように思いがちですが、間違いです。つける場合はせめて、2連のものは”重なる”に通じるので避け、真珠でもイヤリングや指輪ははずします。 

 

<一般会葬者はブラックスーツで>
ブラックスーツは準喪服ですが、通常の葬儀では、会葬者も喪主もこれを着ることが多いようです。靴は金具のないプレーンな黒のものを履きます。

 

<夏も冬もと重宝なアンサンブル>
ひじ丈袖のワンピースとジャケットのアンサンブルは、3シーズン着られて便利です。2つの違う素材を組み合わせるのが、最近の流行。高級感が出るというメリットがあります。


若い女性はデザイン性のやや高いワンピースでもいい>
準喪服なら少しアクセントがあってもいい。 襟がかわいい写真のようなワンピース程度ならいいでしょう。スカートがプリーツになっているので、座りやすくて楽です。

 


通夜
訃報を聞きあわてて駆けつける場合が多いですが、カジュアルすぎるのは、やはり考えもの。また告別式に出席できないから、お通夜だけというケースも多くなりました。その場合は、男性はブラックスーツかダークスーツ、女性には準礼装のアンサンブルがおすすめです。

 

<男性はダークスーツが一般的>
葬儀用のダークスーツは、ごく深いブルーかダークグレーです。ネクタイや靴下は、すべて正喪服と同じ黒にします。三回忌以降の法要は喪主でもこのスタイルでよいでしょう。

 

<女性は地味なタウンスーツ>
グレー、濃紺のスーツはお通夜の時も通用します。小さな水玉模様でも大丈夫です。反対に黒のスーツでもスカートが短めだったり、シルエットに流行を取り入れたものは略礼装とされます。この装いは三回忌以降の法要にも着ていくことができます。

 

香典の相場

香典の意味

香典は、故人様にたむける線香や花など、お供え物の代わりとしてささげるものです。

本来いくらでなければいけないという決まりはありません。

とはいえ少なすぎると恥ずかしい思いをするし、逆に多すぎても先方が恐縮し香典返しの心配などかえって迷惑をかけることになります。
一般に、血のつながりが濃いほど香典は高額になり、親の場合は10万円、兄弟であれば5万円、その他の親類は1万円が相場のようです。

勤務先関係か友人であれば5千円が目安となるでしょう。ただし、付き合いの程度によってはもっと多く包む必要も出てきます。

たとえば夫の同僚の家族でも、単に同僚ということだけなら5千円、家族ぐるみで付き合うほど親しければ2万円といった具合に、親密度によって金額は変わってきます。

同様に隣人・近所でも、日頃のおつき合いから3千円をつつむケースと5千円をつつむケースがあるようです。
因みに、香典には新札は使いません。金額も「4」、「9」や偶数はタブーです。(2千円、2万円はかまいません。)
また、地域のしきたりなどによっても異なる場合があるので注意しましょう。

 

地域別に見た香典の平均額
地域ごとに見ると、中部地区が平均して最も高額となっており、故人様との関係が親族に当たる場合、他の地域に比べ高い水準となっていることがわかります。

また、「勤務先関係」、「取引先関係」、「友人・その家族」の3項目に着目してみると、「勤務先関係」が最も高額な地域は、北関東、東京で、「友人・その家族」が最も高額な地域は、北海道となっており、この点においても地域的特長が見られます。

 

「御霊前」?「御仏前」?

違いと使い分け

通夜から三十五日の法要までなら、不祝儀袋に「御霊前」と表書きするか、そう書かれた不祝儀袋を使います。
ただし、表書きは宗教によって違います。「御霊前」は宗教、宗派を問わず使えます。四十九日以降は「御仏前」は仏式の法要で用い、ほかに「御香料」「御香典」なども葬儀、法要ともに使えます。神式の場合は「御神前」「御玉串料」など、キリスト教カトリックなら「御ミサ料」、プロテスタントなら「御花料」となります。
市販の不祝儀袋で蓮華の花の模様があるものは仏式用、十字架模様はキリスト教用。水引きには白だけ、白と黒、銀がありますが、どれを使ってもかまいません。水引きの上部に表書き、下側に自分の名前を書きます。連名の場合は目上の人から順に右から書きます。

〈御霊前〉どの宗教・宗派にも使える

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〈御仏前〉仏式四十九日の法要から

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袱紗(ふくさ)の包み方

袱紗の包み方は慶事とは逆なので注意しましょう。 まず、袱紗を角が上下左右にくるようにして広げ、香典袋を表を上にして中央かやや右寄りに置きます。次に袱紗を右、下、上の順に折っていき、最後に左側を折ってはみ出た部分を裏側に折って包み込みます。香典を差し出すときは、包んだ逆の順序にていねいに開き、香典袋の表書きが相手に読めるように向けて渡します。
袱紗にはいろいろな色、柄がありますが、派手なものでなければかまいません。紫の無地なら慶弔両方に使えます。

【包み方】

(1)袋を袱紗の中央か右寄りに置きます

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(2)まず右側から折ります

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(3)次に下、上の順に折ります
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(4)最後に左側から包み込みます

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お数珠について

数珠は本来は宗派によってデザインが異なりますが、現在市販されているものの多くはどの宗派にも通用します。
種類は黒檀、白檀、紫檀といった木製のものから、菩提樹の実、メノウ、水晶、ガラス、真珠、白珊瑚などさまざまです。値段も材質の違いで1,000円程度から数万円もするものまであります。季節で使い分けるという人もいますが、根拠はなくその必要はないでしょう。一般に男性用は大きい玉、女性用は小さい玉でできています。
数珠は持ち歩く時は、左手首にかけるか手で持ちます。
合唱の時は短い数珠の場合は、合わせた両手の親指と人さし指の間にかけ親指で押さえるようにします。長い数珠を使う時は、両手の中指にかけすり合せます。

 

 

お悔やみの言葉


取り込んでいる時なのでごく短い言葉ですませます。月並でも「この度は御愁傷さまです」とか「心からお悔やみ申し上げます」でかまいません。
ひと言添えたいなら、急死の場合は「突然なことでびっくりしました。まさかこんなことになるなんて思いませんでした」「この度は思いがけないことでさぞお力落としのことでございましょう」など。長く患った場合は「お加減が悪いと聞いていましたが、さぞお力落としのことと存じます」「まだ頑張っていただきたかったのに」など。長々と病気の話をしたり、亡くなったいきさつを聞くのは遺族の悲しみを深めることになるので避けましょう。
キリスト教の場合も同じですが、神のもとに召されるので「安らかな眠りをお祈りいたします」という言葉を添えるといいでしょう。

    

忌み言葉
慣習として、不幸を連想させる言葉や重ね言葉(不幸が重なるという考え)はお悔やみには用いません。
不幸を連想させる言葉
苦しむ・つらい・とんだこと・浮かばれない・迷う
重ね言葉
重ね重ね・たびたび・返す返す・しばしば・ますます・再三・重々

 

故人との対面の是非
祭壇の裏側に棺を安置し、会葬者が自由に故人様と対面できる葬儀を見かけることもあります。一部の人に好評のようですが、なかには反対する人もいます。「やつれた死に顔を見せたくない」「生前の元気な姿が打ち消される」といった理由のためです。故人様との対面は是か非か、意見の分かれるところです。

 

弔電を打つ場合は?

宛先は喪主
宛先は喪主にするのが一般的ですが、わからない場合は故人様にいちばん近い人にします。
通信文の末尾に差出人の名前を入れますが、まぎらわしくないよう、必要に応じて住所(○○区や○○市程度)や会社名、所属なども入れておきましょう。

 

金額はどのくらい
故人様との関係によって、また地域によっても異なります。近親者や職場関係なら過去の記録をもとにおおよその見当はつけられるでしょうし、兄弟やサークル仲間なら相談して決めましょう。

 

まとめ

通夜とは
通夜は故人様の霊を慰め、最後の一夜を共に過ごすためのもので、参列するのは遺族、親しい友人、近隣の人たちというのが本来の姿です。とはいえ今日ではこのほかの人たちにも参列の機会を設けるのが当り前となっています。
故人様との縁が薄い人は遺族を配慮する意味で、読経が終わったら早めに辞去するよう心がけましょう。

 

通夜の服装
基本的には派手なものでなければ平服でかまいません。どうしても喪服をという場合は、大げさにならぬよう略装にしておきます。

 

通夜見舞い
弔問客の応対や葬儀の準備などであわただしい遺族が、手間をかけずに食べることができるよう、親族や親しい友人などが持参する軽食のことです。通夜見舞いには、おにぎり・サンドイッチ・のり巻き・お菓子・果物・ジュース・お酒などが適当です。

 

拝礼のしかた
通夜は人の出入りが多く混乱しがちなので、ほかの参列者に失礼のないよう十分に注意します。和室では膝行膝退を心がけ、人の前を通るときは「失礼します」と一言挨拶するか、軽く会釈して中腰で進みます。

 

線香での焼香    

1. 遺族に一礼して祭壇の少し手前まで進む
2. 祭壇に向かって一礼し、焼香台の前に進んで合掌する
3. 線香を取ってろうそくの火を移し、香炉に立てて合掌する。
炎が出たら吹き消さず、手であおぐように消す。
4. 少し後ろへ下がって遺族に一礼し、向きを変えて席へ戻る。

 

抹香での焼香    

線香の場合とほぼ同じですが、3.の部分は、右手の親指と人指し指、中指で少量の抹香をつまみ上げるようにしながら軽く頭を下げ、香を静かに落として合掌します。

 

回し焼香    

会場が手狭なとき、あるいは祭壇まで順次移動する混雑や時間を省きたいときなどに、香炉と香が参列者の間に回されることがあります。
席に着いたまま順番を待ち、隣の人から香炉を受け取ったら、祭壇の前と同じ要領で焼香して次の人に回します。
葬儀・告別式の拝礼も基本的にはこれと同じです。立礼も座礼もほぼ同じ要領で行います。

 

通夜ぶるまいの受け方  
故人とともにする最後の食事で、供養、お清め、弔問のお礼などさまざまな意味がこめられているようです。席に着くのは故人ととくに親しかった関係にあった人だけですが、そうでない人も遺族に勧められたら一口でも箸をつけます。
遺族は心身ともに疲れている上に翌日に葬儀を控えているので、出席者は遅くとも夜9時頃には辞去したほうがよいと思われます。ただ、一度に帰ってしまうと、遺族に寂しさを感じさせるかもしれません。頃合いを見計らい、席を立ちましょう。
通夜のとき、遺族は弔問客の出迎えや見送りをしないのが慣習となっています。そばに行って一言挨拶するか、それが無理なら目礼だけで辞去しても失礼にはあたりません。

 

仏教用語に注意

「冥福(めいふく)」「供養(くよう)」「成仏(じょうぶつ)」「追善(ついぜん)」などは仏教用語ですから、神道キリスト教では使いません。神道では「帰天(きてん)」「永別(えいべつ)」「他界(たかい)」、キリスト教では、「昇天(しょうてん)」「帰天(きてん)」などを使います。

 

「供物」は神道の言葉

供物とは、もともと神事のとき、神前に供える飲食物のことでした。現在は弔事用の贈りもの全体を指す言葉となっています。

 

 

と!いうことでお通夜について勉強してきましたが皆さんの疑問は解けましたでしょうか。少しでもお役に立てれば幸いです。気になることやご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

www.lastmake-amane.com

 

 

 

ではまた。

 

 

 

(筆者:中の人 K )